釣りに行けない、もとい、行かない毛鉤釣師

ご無沙汰しております。

大昔、実家では廃材や木製トロ箱でお風呂を沸かしておりました。
両親が実家の裏にある小さな工場で共働きだったこともあり、家事一切を取り仕切っていた祖母を手伝い、お風呂の窯に木をくべていました。
そんな祖母は既に他界し、お風呂がガスになって40年、使うことが無くなった手斧。

雨が降るところではありませんが、自宅裏の工場の入り口に捨てられず放置されていました。
ずっと気にはなっていたのですが、ついに引き取ってレストアをすることに。

正月の帰省した時に引き取ってきました、。
レストアと言えるかどうか、工程はさほど多くなく、柄の取り外し、赤錆落とし、黒染め、組み立てくらいです（笑）。



柄が刺さっていた穴は内部が錆びて膨張していて抜くのに苦労しました。
斧の肌は赤錆に深く浸食されているところがあり、取り切ませんでした。




黒染めは鉄器の表面を黒錆（四酸化三鉄）で覆い、赤錆の発生を防止する防食方法で、タンニンと酸で黒錆を発生させるそうです。
専用の薬剤も販売されているようですが、ネットでは、タンニンが多く含まれている紅茶とお酢で代用が可能とのこと。
今回は紅茶の葉が手元になかったので緑茶で挑戦しました。




1リットルくらいの水にお茶の葉をこれでもかというくらい入れ煮だしました。冷ました後、お酢を150㏄くらいドボドボと注いで斧をドブ漬け、1週間置きましたが色付きが悪いので、緑茶を紅茶に替えてさらに1週間。




濡れていると黒々していますが、洗って乾かし、油を塗ってもこれくらいにしかなりませんでした。
グラインダーで刃の部分を研ぎ直しました。




柄を差し込み、クサビを打って完成。




柄の部分は、思い出が刻まれた数々の傷はなるべく消さないよう、サンドペーパーを軽くかけました。

キャンプやBBQで使いたいと思います。って言っても、この2年くらいはBBQもやれていません（汗）。